妊活4年目の日常

赤ちゃんに会いたい!

教員を辞めた理由。

今年の3月で、私は10年間つづけていた教員の仕事を辞めました。

後半5年間は、県立高校での勤務でした。公務員という立場なので、世間一般的には「辞めてもったいない」という感じでしょうか。

私自身も、採用試験になかなか合格しなくて、やっと合格して掴んだ県立高校の教員という仕事だったので、もったいないかなと迷って、辞めるまでかなり悩みました。

やりがいはあるし、生徒は可愛いし、周りの先生も良い先生が多い…。
教員の仕事は、素敵な仕事です。

それでも辞めてしまった。
理由は、大きく3つです。


①忙しいから。
教員になると決めた時から、教員が忙しいのは覚悟してました。それでもダメでした。

朝7時半から授業開始。

1日に4コマは担当の授業。
(空き時間は2コマくらい)

担当する授業が多くて準備が終わらない。
(2つの学年の担当、クラスのHRなどの特別授業も担当)

土日も部活や課外授業。
休みでも授業の準備やテストの作成・採点に追われる。

学校行事前は準備や生徒の指導あり。

などなど。他にもいろいろ。

クラス担任はとても楽しかったのですが、仕事量が増えます。経験を積むにつれ、任される授業のコマ数も増えます。

授業の準備がなかなかできず、朝4時起きで準備したり、土日の時間でやったりしてましたが、無理がありました。

独身の時はまだ乗りきれていましたが、結婚してから「これからもずっとこんなに忙しいの?」「もし子供を産んだら?今よりきつくない?」と思うことが多くなりました。


②心身の限界を感じていたから。
結局①が関わってるのですが、辞めるまでの2年が大変な年で、もう心身共に参っていました。

辞める前の2年はクラス担任をさせていただいたのですが、とても楽しくて!!

でも、生徒の為に…と悩んだり無理したり。
常に生徒のことが頭にあって、自分のことをあまり大事にできてませんでした。

毎日頭痛がして、朝昼夕の3回、鎮痛薬を飲んでいました。子供がいずれ欲しいと思っていて、薬は良くないと思いつつも、薬なしでは耐えられませんでした。

薬のせいかも、と思っているのですが、去年の6月に稽留流産もしてしまって。
これが大きかったです。これがなければ、まだ教員を続けていたかもしれない。

流産以後、落ち込むことが増えました。
生徒の前では明るくしていましたが、家では沈んでてイライラするときもありました。

同僚の先生たちと話すのも嫌になって、職員室ではいつも暗かった。
自分の殻にとじ込もっていました。

自分でもヤバイ辛いと思って、カウンセリングに何度か通ったのですが、それをしてなかったら鬱病とかになっていたかもしれません。
いろいろ、限界でした。


③自分に合わないと感じたから。
私は、教員には向いてたと思うのですが、教員の世界独特の考え方や環境に馴染めませんでした。

たとえば、「この子は全然勉強してない!こんなんで大学どうするんだ!」みたいに怒る先生がいたり、やたらと大学進学を重視する感じが現場にはあったのですが、私はあまり共感できなかったです。

自分の将来を考えるキャリア教育とかなら、大事だなと思うのですが。
大学!大学!と生徒を頑張らせること、私には頑張れなかった。

志望校に向けて頑張る子への受験指導は、頑張れました。やりがいもあるし、心から応援したいし、力になれるよう一生懸命やりました。

しかし、私が教員としてやりたかったのは、「生徒が楽しく学校生活を送れるようにすること」だったので、そこが高校教育の現場で重視されることとズレていた気がします。

「学校生活を楽しく」も大切にされてないこともないのですが、私の感覚ではそれが1番ではなかったし、やっぱり結局①になるんですが、やることが多すぎて、生徒が楽しく過ごせるようにする為の工夫やケアに気を回せなかったです。

あとは、校則を守らせるとか、それも正直嫌いでした。校則を守ってない子を罪人のように扱い、厳しく叱る。

校則を守って何の意味があるのか?
という気持ちを抱きながら指導をしていました。(これは教員としてダメかもしれない)

人に嘘をつくとか、人を傷つけるとかは、本気で駄目だと思うので、心の底から怒りが湧いて、「なんとかしなきゃ!」と指導をしていました。
でも、校則を守ることはいまいち。

「学校に教材を置いて帰ってはいけない」等のルールも、「毎日カバン重くてかわいそう」と思ってしまい、納得できませんでした。

ただ、「風紀が乱れると学校が乱れる」という事例や逆に、「荒れていた学校が風紀を正すことで良くなった」という事例があることを知り、校則の大切さも学びました。

それでも、校則の指導を厳しくすることは共感できませんでした。

高校じゃなかったらまだ良かったかもしれません。学校にもよるのかもしれませんが、今まで6つの学校に勤務したので、学校が変われば違うという問題でもないと思いました。


私は元々、小学校の頃の担任の先生に憧れて教員を目指していました。
その担任の先生は、とても人間味のある人で、「勉強も大事だけど、人に優しくできるかが1番大事だ!」みたいな、そういう話をよくしてくれました。

これが教員を目指したルーツなので、そもそも私は高校を選んだのが、違ったのかもしれません。
スクールカウンセラーとかにも興味がありましたし、教科の指導や受験指導がしたかった訳じゃなかったんですよね。

こういう風に、自分が合っていないことに気づいて、もっと自分がやりたいことをやれそうな仕事があると知って、辞めることにしました。


以上が、私が教員を辞めた理由です。
まぁ結局①が1番かなぁ。
やることが多い上に、私が何でも一生懸命に頑張りすぎる性質なので、続けられませんでした。

やりたくないことは断って、きつい時は人に頼って…そういう上手な先生は、のびのび仕事をしていた気がします。
なかなか、そういう風にはできなかった…。


教員の仕事は素晴らしい。
生徒の成長する姿や、周りの先生の教育への情熱には、何度も心を動かされました。

辞めてしまったけど、ずっと憧れていた教員の仕事ができて幸せでした。