妊活4年目の日常

赤ちゃんに会いたい!

私は鬼のような教師にはなれなかった。

今週のお題「鬼」

鬼と言えば「怖いもの」というイメージ。
私の職業である教員も、「生徒から恐れられるもの」という面がある。

しかし、10年教員をやっていても、私は生徒から恐れられる教員にはなれなかった。
教員になる前も、なってからもずっと悩んでいた。

私は「生徒になめられる」教員だ。

私は女性で、身長は147cmでとても小柄。
外見からもう全く怖くない私。
性格も穏やかで、学生時代の友人にも「いつも優しい」と言われるような私。

そんな私が怖い先生になれるわけがないのに、教員になったばかりの頃は、無理をして大きな声で怒鳴ってみたりした。
でも駄目だった。余計に生徒に反抗されて、お互いに感情的になって関係が悪化した。


鬼のように生徒を怒ることができない私は、教員に向いてないのではないか。

何度もそう思った。
「もっと生徒に厳しくすべき」と先輩教員に注意を受けたこともあった。

しかし、色んな学校で働く中で色んな先生に出会った。
生徒から恐れられる先生もたくさんいたが、いつも優しくて声を荒げることがない先生もいた。色んな先生がいた。

ある先生が、
「あなたはあなたの持ち味があるんだから、あなたらしくやればいい」と言ってくださった。


その言葉に支えられ、経験を積むうちに、やっと自分らしく生徒を叱れるようになった。
私は大きな声で怒鳴り上げたりはしない。
(1度だけ、生徒が危険なことをしていた時だけ本気で怒鳴ったけれど)


いや、正確には怒鳴れないのが私なのだ。
怒鳴れないし、怒鳴りたくない。
昔、母親に怒られた時は母親が鬼に見えた。
母から怒られて怖かった記憶はあるのに、なぜ怒られていたのかは覚えていない。

謝ろうとしても怖くて声が出ない。
さっきまで普通だったお母さんが急に鬼のように怒り出してただただ怖い。
私は母を怒らせないように毎日気を遣って過ごしていた。


そういう思い出があるから、怒れない。
それに、生徒に恐れられる怖い先生は、【恐怖で生徒を支配する先生】か【厳しいが生徒に慕われる】のいずれかが多いのだけど、私は【恐怖で支配】という考え方ややり方が嫌いだ。

怖い先生の顔色を伺いながら行動する生徒を見ると、いたたまれない。母に怯えていた自分を思い出すからかもしれない。
ただ、怖い先生だからちゃんと宿題をやる、授業を聞くという生徒も多いので、怖い先生が必ずしも駄目とは言えない。
「怒られた方が伸びる生徒」というのもいるだろう。


【恐怖で支配】というのは嫌いだが、【厳しいが生徒に慕われる】タイプの怖い先生はすごいと思う。そういう先生は、授業がとても上手だったり、とても面倒見がよくて生徒の良いところもよく見ていたりする。恐怖だけでなく、そういうところで生徒を惹き付けられるなら、私もそういう怖い先生になりたい。


でも、私にはやっぱりなれない。
駄目だなぁと思うけど、小学校の頃好きだった先生はみんな怖くなかった。
悪いことをした子は厳しく叱っていたけれど、「いつもニコニコしてて生徒に竹トンボを作ってくれる先生」「音楽の時間にはいつもギターを弾いてくれる先生」「自分の若い頃の話をたくさん話してくれた先生」…私の好きな先生はそういう先生たちだった。


だから、私みたいな先生がいてもいいのかなぁと思える。怖くない先生。
怖くはないけれど、悪い方に向かっている生徒にはきちんと注意をしたり、話を聞いたり、一緒に改善策を考えたりして、正しい方向に導いていく先生でいたいです。